Plastic Cafe 2001

その昔今は休止中のタオレコに寄せた文書。はせがわさんにリクエストされたのだけど、ローカルに保存がなかったので webarchive を探して掘り当てて来ました。
街の喧騒を避けたいカポーやヒトリモンのためにひっそりと存在していたはずのマンガ喫茶は、徐々に「カラオケボックスのスペースを有効に利用するための苦肉の策」として街中に溢れてきてしまい、営業をサボってる会社員などを中心に客数を順調に増加させてはいるものの、喧騒を避ける目標が必ずしも達成されない空間となってしまいました。だって貧乏揺すりとか煩いんだもん。南無〜
ところで、俺が思うに、マンガ喫茶は以下の点でビジネスモデル的に優れているといえましょう。
  • 開業資金がたぶんそんなに高くない
  • ランニングコストは新刊を買う程度
  • マンガを読んでも読まなくても店にいた時間で従量課金できる(それを客も納得している)
  • 店を構えただけで客が入る。宣伝いらず
  • 長編なら続きが気になるので客に継続性を持って来店してもらえる
  • コーヒー、紅茶などの味に凝らなくても許される

もちろんカラオケボックスも似ているわけですが、カラオケボックスは必ず複数人で利用するコミュニケーションスペースだったのに対し、「コミュニケーションを必要としないスペース」のマンガ喫茶の方が受け入れられたような気がします。

そこで! 俺が次に提唱したい喫茶のあり方、とは! ズバリ! プラモ喫茶です。この有名サイト(注:美味しんばだった)を引き合いに出すまでもなく、プラモ、特にもガンプラはもはや国内的には共通言語化していると言える訳ですが、残念、このウサギ小屋暮らしでは、思うようにガンプラを制作できる空間もないし、バンダイの努力で日ごとに大きくなるパッケージ(MG サザビーなど)では、持って帰るのだけでも一苦労です。

そんな時、最寄り駅にプラモ喫茶があるシーンを想像していきたい。

ふらりと立ち寄ったプラモ喫茶、会員カードを渡すと、店員が「新規ですか? キープしてたの作りますか?」と聞くので、俺は「じゃ、今日は新しく入ったMG旧ザクを。何分くらいかかる?」「そうですねえ、皆さん2時間もあれば素組みはできますよ」なんてやりとりのあと、パッケージを受け取って空いている作業卓へ。

作業卓には、ニッパーからヤスリ、瞬間接着剤まで揃っており(塗料は買取だね)、あとはドリンクを自分で持って来つつ、好きな音楽をヘッドフォンで楽しみ、プラモ作りに精を出す、と。

たまに店のマスターが巡回して、「ホラホラ、バリはちゃんと取らないといけないぞう。ヤスリの向きも気をつけろよう」と、初心者にアドバイスをしているし、店のカウンターの脇には秀作が展示されているので、励みにもなる。このB-CLUB製ウイングガンダムのキットは高いだけあってすげえなあ、とか、誰だこのガオガイガーだけ作ってるやつ、とか。

最もスゴい仕組みは何と言っても参加型ジオラマだ。ある酔狂な客が作ったジャブロー風地面に、ある人がズゴックを大量に並べたところ、次の人はもちろん例のポーズのシャアズゴを再現した。ミリタリーが得意な人は周囲に兵士キャラや陸軍装備を並べていくし、張り紙で「腹を貫かれるジム希望」などと書いてあり、先に展示したヤツより完成度がよければ差し替えられる仕組みによって競争心を煽るようになっている。

俺は数時間旧ザクと格闘した後、ハコに詰めなおしてその日は店に預けることにした。預け賃(プラモキープ代)は月に¥300とか。今度来たら、まだフィニッシュしてない百式に取り掛かろう。塗装は一気にやらないとムラが出るしね。

…なんて店! 近所にあったらすげえ嬉しくないですか?! 嬉しいの俺だけですか?! 何かすげえいい商売になりそうな直感がするんですけど!

ん、有機溶剤を扱うため、店内は禁煙のほうがいいな。
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