入浴空間


確認しまーす。風呂はそもそもプライベートな空間です。おそらく大部分の人は小学生時代くらいは「風呂の入り方」をご家族から教わるために一緒に入浴し、例えば湯船に入る前には体を流しなさいとか、浴室で排便してはいけません、とか学ぶと思うんだけど、高学年にもなると、「一人でできるモン!」ということで単独入湯してきたんではないでしょうか。

つうことはですな、俺くらいの年齢になってしまってると、誰もが「10年越しの俺入浴法」を持っているってことになります。notice! それは誰のテコ入れもなく独自に発展した入浴法なので非常に危険! というのがこの文章の主旨なんで、そのつもりで。

俺がいま寝たり起きたりする会社の寮という空間なんですが、大人数で風呂に入るというコミュニケーションを行わないような学生時代を無駄に長く過ごした毛深い理系連中がゴッソリ入所するような空間なわけです。そうするとやっぱいるんです。

風呂でキャラ立ちしすぎな人

基本的に隣室でも無関心を装いたいのに、網膜に一部でも入るとガゼン注目してしまわざるを得ないほど、「誰がそうしろって言ったんだ!」っつうような入浴法をする連中でごったがえすんです。軽めなところだと、シャワーからずっとお湯飲んでる奴がいるかと思えば、シャワーを頑なに使わない奴や、スタンディングでしかシャワーを浴びない者、シャワー角度が常軌を逸しているために周囲の人々の泡まで完全に落としちゃう人とかいますね。

さてここで、ある fat な生物について報告したいと思います。仮に、「天使」と呼んでおきましょう。

なんで天使なのか? なぜなら、その生物の背中には、まごうことなき羽根が!「♪王様王様真露好き〜」のCM の王様レベルで fat な彼の風貌を風呂場で目撃しただけでもかなり意識を失いそうになるもんがありますが、それに加えて左右肩甲骨部分の上下に羽根が like a ゴキブリでグローイン。最初見たときはヅラの代わりに使われたこともあって一時期通販広告が打たれまくった携帯ヅラパウダーが流れ出したのかと思いましたよ。

入浴中の彼の眼前にひしめくは、シャンプーの類のボトル。「カクテル作れんの?」と思うくらい優に10以上。そして彼は洗髪を始めるんですが、まずはボトル壱を使用し、すすぎ。再びボトル弐で洗髪し、すすぎ。俺が入浴開始した時点で洗髪していたのに、終了しても洗髪をしています。

んで、その洗髪姿は、fat だけにそれだけでユーモラスというか、醜悪。さらに、彼の前頭葉部分は酷使し過ぎたせいで真冬の芝生程度の勢いしかないため、洗髪中は目を閉じてマッサージが主。醜悪。

ある日、入浴終了間際の天使と遭遇しました。彼の天使は両足を like a ゴキブリでにこすり合わせ、中空を見つめていました。全裸で。よく観察すると、彼のボトルの中でも最終兵器であろう、水虫薬が塗り込められているところでした。合掌。


ピカメケもどる| ピカサムシング